【アメリカ】

米ロサンジェルス市、犬猫の不妊・去勢条例を施行

ALIVE海外ニュース 2008.11-12　翻訳：宮路

この２、３ヶ月の間に、ロサンジェルス市動物管理局のウェブサイト(http://laanimalservices.com/)にアクセスした人は、市の避妊・去勢条例が実施される１０月１日までのカウントダウンをデジタルで表示しているのを知っているだろう。

市内で飼われているほとんどの犬や猫の不妊処置を義務付ける条例に従うのに、あと１週間の猶予がある。

安い費用で不妊処置をするための選択肢はいくつもある。誰でも、市のシェルターやシェルターと協力して救助活動を行なう多くの個人活動家から、協力獣医師が行なう不妊処置料に対して３０ドル分の割引券をもらうことができるし、低所得者、障害者、高齢者などであれば、指定の動物病院で無料処置を行な
うための証明書をもらえるし、移動クリニックで処置をしてもらうこともできる。

ロサンジェルス市動物管理局のエド・ボクス局長は、南ロサンジェルスのシェルターには、避妊・去勢クリニックがあり、ハーバー地区と西ロサンジェルスのシェルターにも、２ヶ月以内には同様のクリニックができるという。そして、より多くのペットの避妊・去勢を促進するための一環として、団体が合同で１０月２４日から２６日に３度目の「ロサンジェルス避妊日」を催す。この期間、特定の獣医療機関では無料の避妊手術サービスを提供する。

条例の避妊・去勢義務から免除される犬や猫も数多くいる。特殊技能を持つ動物、特別な活動のために訓練中である動物、医学的な理由で免除される動物、ショードッグやショードッグ用に飼養されている動物などだ。それ以外の、４ヶ月以上の犬や猫は、不妊処置されなければならない。この条例への違反が見つかった場合、飼い主は６０日以内に不妊処置を行なうか、１００ドルの罰金を支払わなければならず、３度目の違反では、罰金は５００ドルとなる。

ロサンジェルス市議会が昨年２月にこの条例案を承認したとき、ペットの不妊処置によって、シェルターに送られる大量の不要動物や飼い主不明の動物を減らすことができるだろうと期待された。米国人道協会によると、全米で、年間、３００万から４００万匹の動物がシェルターで殺処分されている。

その後、市の監査官、ローラ・チックは、ロサンジェルス市動物管理局は、新条例を施行する準備がほとんどできていないとする報告書を発表した。チック監査官は報告書に、「動物管理局は、現在、犬をつなぐ義務などの個人の飼い主に関する他の条例を実施するのに苦労しており、どのように避妊・去勢を調査し、施行するのか誰も見当がつかない状態だ。動物管理局は主に飼い主の自主的順守に依存する予定であり・・・」と書いている。

動物管理局のエド・ボクス局長は、この報告書に対して、管理局は条例の適用範囲の限界まで施行するつもりであり、動物の飼い主は、条例に従わなくても、処分を受けることはないなどとは考えないほうがいい、と述べたが、市全体で動物管理官は６４人しかいないため、戸別調査や市街パトロールなどはできないとも言っている。

動物福祉活動家は、この条例を自主的に守るためのいろいろな理由があると考えている。チック監査官が市長への報告書に書いたように、「ペットの避妊・去勢により、あまりにも頻繁に殺処分されている不要な子犬や子猫の数を大幅に減少することができる」し、「動物管理局は、昨年、ロサンジェルス市内のシェルターでは1万５０００匹以上の犬や猫が殺処分されたと報告している」のだ。

Los Angeles Times　２００８年９月２４日
http://latimesblogs.latimes.com/unleashed/2008/09/countdown-to-th.html