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【アメリカ】

動物保護:アメリカの後進性

記:ピーター・シンガー
The Boston Globe 2005年8月20日

ALIVE海外ニュース 2005.11-12  翻訳:宮路

 世界で一番進んだ動物保護法はどこの国のものだろう。アメリカと答えた人には、最低点しかあげられない。アメリカは欧州連合加盟国25ヶ国すべて、そして他の先進国のほとんど、スイス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどに大きく遅れを取っている。アメリカがどれほど遅れているかを判断するには、次の事実を参考にするとよい。

 毎年およそ100億頭の家畜が、アメリカの食肉、卵、酪農業界で殺されている。毎年、動物実験で殺されている動物の数は、そのわずか0.3パーセント、およそ2〜3000万だ。

 アメリカには、農場動物の福祉に関する連邦法は存在しない。連邦法が適用されるのは動物が屠殺場に入ってからだ。大きな畜産業を抱える州のほとんどが、州の動物虐待防止法から「農業における一般的な業務」を免除している。 州法によって農業における一般的な業務と見なされれば、それは虐待ではなく、違法行為として起訴することはできない。これは農業における一般的な業務であれば、どのようなものでも合法であることを意味する。  

 動物保護法が最も進んでいるのは、イギリスではなく、オーストリアだ。 2004年5月、鶏を「バタリーケージ」に入れることを禁止する法案がオーストリア議会にかけられた。この法案は議会を通過したが、その際、議員のひとりとして反対票を投じなかった。また、毛皮用動物繁殖場も禁止されており、サーカスで野生動物を使用することも禁じられている。 生きている犬や猫を店頭で売買することも違法であり、みだりに動物を殺すことは刑法上の犯罪となる。そして、最も重要なのは、オーストリアではすべての州が、動物の代理として裁判の手続きを行うことのできる「動物弁護士」を任命しなければならないのだ。

 動物の福祉を守ることにおいて、ヨーロッパ人はなぜアメリカ人よりこれほど進んでいるのか。アメリカにおける動物運動は、動物の権利を、有権者が候補者の見解を求める類の選挙課題とすることに成功していない。その結果、アメリカの動物運動は、立法府よりむしろ企業にその矛先を向けるようになった。 例えば2001年に、Viva!という団体は、非人道的に飼養されたアヒル肉を販売しているとしてWhole Foods社を非難するキャンペーンを展開した。Whole Foods社はこの問題を取り上げ、アヒルの飼養に新たな自社基準を設けた。

 他の動物の基準も2008年までには設けられる予定で、Whole Foods社は、自社が販売する家畜種すべてに対する基準を設ける計画だ。動物の権利活動家たちは、個々の企業に働きかけることで、他の小売業者も先例に倣い、これが圧力となってアメリカの法改正に影響を及ぼすことを期待している。

 他の先進国の基準から判断すると、アメリカではここ数十年間、大半の動物に対する保護がほとんど改善されていない。 私たちは、農場動物の苦しみを軽減させ、企業や連邦・州の立法機関に圧力をかけて、アメリカでの動物の扱い方が、少なくとも欧州連合の基準まで向上する方向に労力を費やすべきだ。

The Boston Globe
http://www.boston.com/news/globe/editorial_opinion/oped/articles/
2005/08/20/un_american_about_animals/


 
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