ニュージーランド、野鳥保護のためフェレットの飼育禁止
ALIVE海外ニュース 2002.5-6 翻訳:宮路
フェレットは臭く、ニュージーランドの国の象徴ともいうべきキーウィーを食べ、他の野生動物の巣穴を襲う。数多くの動物がフェレットの犠牲になることに業を煮やしたニュージーランド政府は自国に元から生息する野生生物を保護するためにフェレットのペット飼養を禁止する計画だ。
サンドラ・リー保全大臣はフェレットがキーウィーのようなニュージーランドの脆弱な野生種にとってフェレットの脅威は無視できないほど大きい、と述べている。夜行性で飛べない鳥、キーウィーは第一次世界大戦以来ニュージーランド人のあだ名ともなっているが、フェレットなどの補食獣には格好の餌食だ。
小型肉食獣であるフェレットは1867年にヨーロッパからの移植者によってニュージーランドに持ち込まれた。ウサギ対策としてであったが、そのウサギもそもそも移植者が持ち込んだものだった。しかし、フェレットはすぐにキーウィーやその卵、その他の捕まえ易い野生動物を襲い始めた。ニュージーランドの野生動物は比較的捕食獣による危険のない状態で進化してきた。フェレットは細身で自分より大きく、どちらかというと動作のにぶいキーウィーの地中にある巣穴にも潜り込むことができる。
環境保護団体「森林野鳥保護協会」はフェレットを、家畜に結核をうつし、人間のインフルエンザを伝染させる可能性もある「獰猛な捕食獣」と呼ぶ。
フェレットのペット飼育禁止法が正式に成立し、フェレットの繁殖・販売などで有罪になった場合、5年以下の禁固刑および10万NZドル(約560万円)以下の罰金が科せられる。しかし、この禁止法は現在飼養されているペットと国内に14ヶ所ある毛皮用フェレット繁殖場の個体には適用されない。
何千ものフェレットが1880年代に繁殖され放たれた。保全省では現在、野生化したフェレットがどの程度いるのかまったく見当がつかないという。同省はフェレットと共にイタチやストートも生息頭数管理、あるいは根絶する計画だ。