英獣医師会、野鳥輸入の永続的な禁止を求める声に加わる

ALIVE海外ニュース 2006.11-12　翻訳：宮路

　今日、英獣医師会（BVA）は、EU域外からの野生で捕獲された生きた鳥の輸入を禁止する現行法を永続的なものにすることを要請する内容の声明を発表した。これは、捕獲時そして輸送の間の鳥の福祉を考慮したものだ。

　BVA 評議会、そして先ごろ行われたBVA動物福祉基金フォーラムにおける話し合いの結果、BVAは、永続的な禁止が不可欠であるという結論に達したが、これは特に取引に関連する鳥の死亡率が高いためだ。鳥の死亡率は捕獲されてからペット・ショップに輸送されるまでの間に60パーセントにもなり、このような数字は他のいかなる業界でも容認されておらず、野鳥取引においても容認されるべきではない。報告された検疫センターにおける鳥インフルエンザのケースのあと、（検疫センター到着時、あるいは検疫期間中の）死亡率12パーセントは、この業界では「通常」だと見なされていると聞き、我々はショックを受けた、とBVAの会長スコット-・パーク博士はいう。

　BVAは声明の中で、野鳥取引の禁止要請に加えてペット業界用に飼育されている鳥の輸入、検疫、識別に対するより厳しい管理を求めている。イギリス国内でペット用に販売される鳥の大半を、EU内で飼育下繁殖された個体にするべきだし、これを実現することは可能であるはずで、そうすればストレスの多い捕獲方法やぎゅうぎゅう詰めにされた状態での輸送が原因の高い死亡率を減少させることができるという。

　スコット・パーク博士は、ペットを飼う側もどんな鳥を購入するのか慎重に考慮し、鳥がペット用に人間の飼養下で繁殖させた個体だということを売り手に確認するようにと訴えている。売買取引は消費者の需要で決まるもので、ペットの飼い主には自らが購入する鳥の福祉を著しく向上させることができるのだ。

　また、政府も重要な役割を果たすとスコット・パーク博士はいう。EU全域において、国境管理の改善を早急に行い、第三国からの密輸を食い止める必要があるし、鳥インフルエンザ検疫に関するディモック報告書が勧告しているように、EU域内の検疫センターが安全で有効な状態であることを確実にしなければならない。また、政府はより厳しい個体識別・証明方法を推し進め、個々の鳥のトレーサビリティを可能にし、購入者が、飼養下で繁殖された鳥と偽って販売されている野生で捕獲され密輸された鳥ではなく、ほんとうに飼養下で繁殖された鳥を購入するのだと確信できるようにする必要もある。

2006年7月25日

イギリス獣医師会のＨＰ
http://www.bva.co.uk/press/2006/250706.asp