「クジラ保護」が２００８年の大統領選挙では浮動票を集める可能性が

ALIVE海外ニュース 2007.7-8　翻訳：宮路

国際動物福祉基金（IFAW）の代理で行われた最新の調査では、１０票の浮動票のうち６票は、日本の調査捕鯨に反対する大統領候補者に投票される可能性があり、日本の捕鯨に対して断固とした態度を取る大統領候補者はそうでない候補者より浮動票を獲得する可能性が高いとしている。

２０００年の大統領選でブッシュ陣営の世論調査主席コンサルタントを務めたスティーパー氏は、捕鯨反対の姿勢は予備選挙と総選挙で候補者の有利になる可能性がある、と述べている。

１９８６年、国際捕鯨委員会(IWC)は国際的な商業捕鯨の一時禁止（モラトリアム）を採択した。“クジラはアメリカを必要としている”という２０の環境・動物福祉団体の連合によると、それ以来、２万頭以上のクジラが殺されており、そのほぼ半数近くが研究目的のためだという。

日本政府は、その捕鯨が商業目的ではなく科学目的であり、国際法に違反していないというが、グリーンピースなどの環境保護団体は、日本は科学調査を商業捕鯨継続のための煙幕として利用しているという。

日本がしていることはIWC決議の抜け穴の利用であり、調査捕鯨はモラトリアムに打ち勝つ抜け道となった、と全米人道協会の条約・海洋・野生保護部長のキティ・ブロックはいう。

しかし、日本政府に捕鯨問題に関する提言を行っている非営利団体、日本鯨類研究所のアドバイザー、ギャヴィン・カーターは、「商業目的のための捕鯨なら、特定の割当て量のクジラを捕獲するだろうが、日本はそれをやっていない。日本人は生息数の動態を完全に理解している。生物学的調査なら生きたクジ
ラから採取したサンプルでできるが、総括的な調査はクジラを殺さないで行うことはできない」といい、日本政府が不正を行っているという非難を否定している。

“クジラはアメリカを必要としている”は、昨日、ワシントンで世論調査の結果が発表された後、アメリカを“クジラを殺す国々に立ち向かう”国として再建することをブッシュ政権に求めた。動物福祉研究所の野生生物学者シューベルトは、米国政府がその気骨を再発見し、クジラ保護におけるリーダーシップを取り戻して欲しいと連合は考えている、という。

クジラ保護の強化要請は、安倍晋三首相の初の公式訪米と来月アラスカのアンカレッジで行われるIWC総会に合わせて行われる。IWC総会がアメリカで行われるのは初めてのこと。

２００７年４月１８日

The Washington Times
http://washingtontimes.com/national/20070417-104242-5745r.htm