ALIVE海外ニュース 2010.11-12 翻訳:宮路正子
オートバイに乗るクマ、燃えさかる輪をくぐりぬけるトラ、飛び込み台から飛び降りるブタ。
動物保護団体アニマルズ・アジアの動物虐待に関するレポートによれば、これらはすべて中国のサーカス、 動物園、サファリパークなどで見られる『エンターテインメント』のほんの一部にすぎない。
アニマルズ・アジアは香港を拠点とし、動物の権利促進のための活動を行っている。
中国にある13のサファリパークや動物園を訪れたアニマルズ・アジアの動物福祉担当主任デヴィッド・
ニールは、そこで行われている動物のショーは「動物を屈辱的な形で一般市民に描いて見せ」、教育
的価値はまったくないことがわかったという。
ニールによると、このような扱いを受けることが動物にとってどのようなことなのか、現在、中国では
まったく理解されていないという。
報告書によると、トラ、ライオン、ツキノワグマ、ゾウ、サルなどの曲芸に使われる動物の多くは、
人間の飼養下で生まれて飼育され、一生非人道的な扱いを受けて生きるという。
「これらの動物は生まれたときから苦しめられています。生まれてしまえばこの業界に取り込まれ、
すぐに調教師が芸を教え込むために残酷な扱いを始めます。若い動物のトレーニング現場を見ましたが、
人前で最高の演技ができるように、芸を確実に覚えるまでムチで打たれ続けるのです。
曲芸が終われば、舞台裏にある凄まじい状態の居住スペースに収容されます。すべての動物は、
糞だらけのケージに、ほとんど水も食べ物ももらえない状態で入れられています。」
曲芸に使う動物の虐待は中国だけに限られたことではない。動物虐待は世界中のあらゆる国で
起こっているとニールはいう。
しかし、中国には現在、動物保護法がない、とニールは指摘する。アニマルズ・アジアが学術関係者
と協力して、人間の飼養下にある動物だけでなく、すべての動物を含む法律を草案したのはそのためだ。
今回の調査結果にもかかわらず、ニールは中国政府が動物保護を真面目に取り上げていることを進歩
のしるしだとして自信をみせている。
7月29日に政府が発表した報告書によると、中国国家林業局は動物の曲芸を行う企業が利益 ばかりに焦点を当て、それが動物の虐待や死につながっていると非難した。
ニールは、中国政府が動物園やサファリパークに動物の飼養状況を調べ、これを改善するよう求め たことを非常に喜んでいるという。
2010年8月16日 CNN
http://edition.cnn.com/2010/WORLD/asiapcf/08/12/china.performing.animals/
?hpt=C1#fbid=F6xwPr6LgLc&wom=fals