2005年に改正された動物愛護管理法にもとづき、さまざまな施行令が改正されることになりました。今回改正されるものの一つが、昭和50年（1975年）に制定された「犬猫の引取並びに負傷動物の収容に関する措置要領」ですが、なんと３０年ぶりの改正となります。

　　旧「動物保護管理法」が制定された1973年当時は、ちまたに捨て犬、野良犬が多く、年間120万匹ものが行政の手によって殺処分されていた時代でした。

　しかし、この間、社会一般の動物に対する意識は急速に変化し、犬やねこは、家庭動物、伴侶動物（コンパニオンアニマル）として、終生、大切に飼育されるようになってきました。

　地球生物会議の全国動物行政アンケート調査では、平成15（2003）年度の犬の殺処分数は、164,209匹（捕獲と引取りによる）であり、この30年間で殺処分数は６分の１に激減したことかわかります。

詳しくは、「犬猫の殺処分の減少に向けて」をご覧下さい。

　30年前に制定されたこの「措置要領」は、大量の犬猫の引取りと殺処分、それにくわえて動物実験払下げを進めてきた時代の産物であり、一般社会が求める犬猫の適正な管理のあり方とは大幅なギャップが生じています。

　そこで、当会では、この措置要領の改正にあたっては、以下のような削除と追加を求めています。

犬ねこの引取並びに負傷動物の収容に関する措置要領の改正提案

第１ 　犬及びねこの引取り

１項

現　行	１ 　都道府県知事又は政令で定める市の長（以下「都道府県知事等」という。）は、犬又はねこを引き取るべき場所を指定するに当たっては、住民の便宜を考慮するように努めること。
改正案	下線部を「飼い主に飼育困難な理由の聴取や繁殖制限の必要性について啓発活動が可能となる場所とすること。必要に応じて引取費用の負担を求めること。」に改める。
理　由	多くの道府県で、犬猫の引取場所を町役場など市町村の施設に依頼していますが、引取現場での啓発普及活動が困難な状態です。 市町村の役場などで、飼い主は「所有権放棄書（引取依頼書）」を記入するのみで、動物愛護担当職員が飼い主に対面して引取理由や新しい飼い主探しの有無などを確認することはなされていません。犬猫は戸外に係留またはケージに入れられたままで、給餌給水も無いか、あっても役場事務員などの個人的ボランティアで行われています。 また、この「定時定点収集」方式では飼い主から処分費用の負担を求めることがなく、無料（行政サービス）で行われています。この事が、安易に引取を依頼する飼い主を増やす要因となってきたという反省から、多くの自治体で定時定点収集の場所を減らしたり、巡回自体を廃止するようになってきています。また、「受益者負担」として引取処分費用を徴収する自治体も増加傾向にあります。

２項

第３ 保 管

以上

地球生物会議（ALIVE）