1986年11月制定　Directive　

Directive（指令）は、ＥＵ加盟国（25ケ国）が国内法に取り込まなければならない法的拘束力を持つ。また、これは遵守すべき最低基準であり、加盟国はこれを上回る規制を設けることができる。

地球生物会議　ALIVE資料

◆人以外の脊椎動物を法の対象とする。（第２条）

◆絶滅のおそれのある種の利用を禁止する。（第４条）

◆基準の遵守について監視機関をおく（第６条）

　指針の遵守に関して責任を負う権威ある機関を定めなければならない。

◆国による実験の認定（第７条）

・実験およびプロジェクトは、国の規定による認定を受けなければならない。
・実験を行う前に代替法を検討しなければならない。
・動物の受ける苦痛を最小限のものとする
・実験に用いる動物の数は最小限とする。
・野生動物は実験に使用しない。

◆苦痛に対する配慮（第８条）

・すべての動物実験は原則として麻酔下で行う。

◆実験終了後の安楽死（第９条）

◆実験動物の再利用の禁止（第10条）

◆実験内容の申告（第12条）

・加盟国は、実験内容と実験担当者の詳細を、実験開始前に行政機関の長に知らせる手続きを確立しなけれならない。

・過度あるいは長期にわたる苦痛を与える実験は、行政機関の長に申告しなければならない。それが不可欠な実験であると認められない場合は、行政は法的または行政的対応をとる。

◆統計の公表

・使用された動物の種類と数、その他に関し、国は統計的情報を集め、公的に公開する。

◆飼育管理者の認定制（第14条）

・実験動物の飼育管理者は教育と訓練を受ける必要があり、行政の機関の長による認定制としなければならない。

◆繁殖・供給施設の登録制（第15条）

・認定された実験動物繁殖施設から動物を導入しなければならない。

・違法輸入、野生動物、遺棄された動物は認定施設に導入することはできない。

◆記録の保持（第17条）

・繁殖・供給施設は、動物の種類、数、供給日、供給先を記録し、３年間保持しなければならない。行政機関はこれを定期的に検閲する。

◆犬、猫、サルの特別扱い（第18条）

・犬、猫、サルは個体識別を行い記録をとる。

◆実験施設の登録・記録・査察（第19条）

・実験施設の設計、機能は、実験動物の数を最小とし、苦痛、苦悩、ストレスを最小限にすること等を保証するものであること。

・施設で使用された動物の記録（種、数、入手先、導入日）を保管し、３年間保持。行政から求めがあった場合はこれを提示しなければならない。

・行政は定期的に施設を観察しなければならない。

◆重複実験の回避（第22条）

・加盟国間における重複実験をさけること。加盟国は、欧州委員会に対して自国における実験の情報や行政の細則を提示すべきである。

・欧州委員会は、加盟国の代表で構成される常設に諮問委員会を設立する。

◆代替法の促進（第23条）

・欧州委員会及び加盟国は、動物実験代替法の研究を推奨する。