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ゾウのプレゼントに異議あり(2)

ALIVE  2002年10月

今度は、タイから上野動物園に子供のゾウが2頭送られるとのことです。 日本ではもう「戦後」ではありません。いいかげんに「友好親善」の名を借りた 動物(ゾウ)のプレゼントという悪習を廃止にすべきではないでしょうか。
当会では、関係機関に、以下の要望書を送りました。

スーリア

2001年に上野動物園にインドから送られてきたスーリア。
まだ子供なのに、ストレスからくる常同行動を起こしている。

2002年10月3日

経済産業大臣 平沼赳夫 様
(所轄:貿易局農水産室)
環境大臣 鈴木俊一 様
(所轄:自然環境局野生生物課)

アジアゾウの輸入を許可しないように求める要望書

 当会は、野生動物の取引の環視および動物園等飼育施設のチェックを行っている全国規模の動物保護団体として、この10月に、インドおよびタイから送られるアジアゾウ4頭の輸入に関して、以下の理由から、輸入の許可がなされないよう要望いたします。

1,ゾウの由来に関して

 この10月5日に、インドから2頭の子供のゾウが「市原ゾウの国」に、11日にはタイから2頭の子供のゾウが「上野動物園」に輸入される予定とのことです。アジアゾウは絶滅に瀕する種としてワシントン条約で動物園における学術研究以外には取引が規制されています。
 インドから輸入されるゾウは両親の片方が野生個体で、タイのゾウは繁殖個体だとのことですが、それが本当かどうか第三者機関による認定が必要と考えます。タイでは野生状態に戻して繁殖させており、これを完全な繁殖個体ということができるか疑問です。なお、タイの現地からの情報によれば、このゾウは同国スリン県の個人業者が所有するもので、動物園とも学術研究とも無関係です。十分な調査のもとに確証が得られない限り、安易な輸入を許可すべきではありません。

2,「学術研究」の意味

 今回「市原ゾウの国」がインドの国立公園から持ち込むゾウは野生個体であり、動物園における学術研究以外に取引は許可されません。しかし、「市原ゾウの国」はもともと動物の貸し出しを本業とし、非常に狭い敷地内でゾウを多頭飼育し、これに曲芸をさせ見世物としている営利目的の業者です。
このような施設で、真の学術研究が可能とはとうてい思えません。
 条約の管理当局は、日本動物園水族館協会に加盟していることをもって輸入許可の条件としていますが、同協会は業界のいわば親睦団体にすぎず、加盟の園館に対して指導力や強制力を有するものではありません。
 日本は動物園に関する法律が存在しない希有な国ですが、それだけに条約の管理当局は、ふだんから動物園の施設や運営の状況について情報を種収し、対応を蓄積しておくべき責務があると考えます。

3,動物園では繁殖しない理由

 日本の動物園ではいまだかつて1頭もアジアゾウの繁殖が見られませんが、それは本来、高度な社会生活を営むゾウの心理や生態を無視した飼育方法によるものです。
 繁殖目的の飼育は学術研究とみなされていますが、飼育下の繁殖は困難で野生状態であれば繁殖するということは、飼育状態が不自然であり動物の繁殖には適さないということの証明に他なりません。
繁殖の研究であれば、研究者が現地に赴き、野生または半野生のゾウの生態を観察しながら研究することが正当かつ妥当な方法です。
 動物園での飼育は、従来の「見世物」用では許可が出なくなったために、「繁殖研究」という名にすりかえたにすぎないというべきです。管理当局は事前に学術研究の詳細な計画書を提出させ、その内容を十分に時間をかけて審査すべきです。

4,ゾウのプレゼントの問題

 タイのスリン県から上野動物園へのゾウのプレゼント計画の発端は、同県で植林事業に関わっているNGOの活動への感謝として企画されていたとのことです。それがニュース性を高めるために皇室の誕生プレゼントであるかのように報道されていると当該NGOも述べています。
 そもそもの発端が、ゾウの学術研究とは無縁なこの計画に、なぜ上野動物園がのっかる必要があったのでしょうか。絶滅のおそれのあるアジアゾウの飼育に関しては学術的計画に基づいて行われるべきであり、ふってわいたようなプレゼント計画とは無関係のはずです。「友好親善」の美名のもとにゾウをやり取りするようなことはもはや行うべきではありません。また、60歳以上も寿命があるゾウの飼育経費は、ただでさえ赤字財政の動物園の経営を圧迫するものとなるでしょう。

5,獣疫上の問題

 さる8月15日に、スリランカらのゾウの輸入計画に対して、クロアチア政府が輸入を拒否しましたが、その理由はスリランカが口蹄疫の発生国であるためでした。口蹄疫ウイルスは強力な伝染性を有し閣内で発生した場合は人も動物も移動の停止措置が取られます。現在、ゾウの輸出国のタイでは口蹄疫が多発しており、同様の問題は日本において起こり得ます。動物園のように不特定多数の人が出入りする場所においてはさらに大問題となるでしょう。
 日本の行政が縦割り機構であるため、このような横断的な社会問題に対しては対応が困難ですが、事態が発生してからでは手遅れです。ゾウの通過地域における口蹄疫の発生状況を調査する等、予防原則のもと、感染症の対策について十分配慮されるよう求めます。

6,動物の福祉の問題

 日本の動物園は、現在どこでも入場者が減少し赤字状態です。市原ゾウの国は個人経営であり、施設も非常に狭く、ゾウに曲芸させたり移動動物園をすることで収入を維持しています。上野動物園は、都市型動物園としてその敷地に限界があり、ゾウのような大型動物を多頭飼育することには、動物福祉の観点からも不適当です。
 両園において(またほとんどずべての日本の動物園において)、ゾウは、動物の本来の行動や習性が満たされないストレスからくる痛ましい異常行動が多発しています。これは、野生動物であるゾウを人工的かつ狭矮な飼育環境に閉じこめた場合に見られるもので、適切な群れ社会とより広くより自然な環境を整備することによって改善できるものです。
 しかし、そのいずれも日本の現状では改善がほとんど不可能である以上、もはやこれ以上飼育ゾウを増やすべきではありません。そむしろ、急速に失われつつあるインドやタイの森林とゾウの生息地の保全に向けて、国としての支援や協力を行う方向へ転換していただきたく存じます。

以 上

地球生物会議(ALIVE)


 
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