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まだ「犬抑留所」という名称の残る、行政の収容施設。
窓がなく、日の光もささず、風通しも換気もない、コンクリートの倉庫の中に犬たちは収容されている。
衛生状態も悪く、飼い主の元に返されたときに、ジステンバーやパルボなどに感染していたケースもある。
譲渡を進め、救命率を高めるためには、一時保護施設として機能するように、飼育環境の改善に取組まなければならない。
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犬猫の救命率を高めるためには施設の改善が必要
環境省の動物愛護管理室では、平成21年度予算として新規に、犬猫の保管収容施設の改善等のために1億円の予算要求を行い、その内容が公表されました。
会報でもお知らせしているように、保健所や動物センター等の犬猫の収容施設はもともと殺処分を目的としてきたために、居住性が悪く、収容によってダメージを受けてしまうところさえあります。これでは、一般譲渡が難しくなってしまうため、施設の改善が急務となっています。
今回の予算要求は、動物の収容・譲渡施設の新築または譲渡のための専用スペースの設置(改修を含む)をしようとする自治体が名乗りを上げた場合、予算1億円の範囲内で、その費用の半額を国が補助するというものです。
ほかに、マイクロチップ普及推進事業と、新しくできたペットフード法施行予算で、合計約6000万円を計上しています。
今年度の動物愛護管理室の予算が6000万円くらいですので、一気に3倍以上の増額要求です。
これから財務省との折衝が行われるもので、全額要求通りに得られるかどうかはまだわかりませんが、動物愛護管理室の意気込みは感じられます。
平成21年度環境省予算の概算要求
http://www.env.go.jp/guide/budget/index.html
各省庁の概算要求もそれぞれのサイトに公開されており、国民の税金がどのように使われているかがわかります。
(新)動物収容・譲渡対策施設整備費補助 100百万円(前年度0)
1.事業の概要
都道府県、政令市等が所有者から引取り依頼等された犬及びねこについては、各自治体の動物愛護センター等の収容施設に収容され、譲渡される
機会を待っており、動物愛護の観点から収容施設の拡充・改善が必要である。
また、犬及びねこの引取り数及び殺処分数を半減させるためには、収容 前の普及活動を推進するとともに、収容された犬及びねこについて、家庭
動物としての適性を評価して譲渡に結びつけることが重要なことから、自治体における動物の収容・譲渡のための施設整備に対する支援(補助)を行
う。
2.事業計画
内容等 H21 H22 H23 ~H29
動物収容・譲渡施設の整備補助
備 考 動物愛護基本指針の目標期間内で、全国モデル的に補助する。
3.施策の効果
「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づく「動物愛護基本指針」 (平成18年10月31日環境省告示第140号)では、犬ねこの殺処分数の半減を目標に掲げており、その達成に寄与する。
<参照>
動物保護施設に予算措置の可能性(2007.12)
衆議院環境委員会議記録( 2007年12月7日)
捕獲犬にも生きる機会を!厚生労働省・環境省が公式見解(2007年5月)
行政の引き取り犬猫に生きる機会を!環境省が公式見解
(2007年2月)
2007年4月10日 犬猫の殺処分の減少に向けて国の見解を問う:国会質疑