反毛皮キャンペーン【３】

　コンパニオンアニマルである犬と猫の毛皮をとるための殺戮。アメリカのＨＳＵＳが２年間にわたって行なった調査は、この毛皮業界の最悪の秘密を明るみに出した。

　調査はまず、中国と他の東アジア諸国における犬と猫の残酷な殺戮を明るみにし、この商売の根源を追跡した。

　犬や猫はすさまじい環境に置かれ、正体不明の、当然健康に良くない混合物を餌として与えられている。彼らの大部分はそのために捕獲された野良の犬猫だ。

　ＨＳＵＳは、アジアの製皮所で5万〜10万のなめし皮のストックを発見した。

　普通、１枚の毛皮を作るのに、10〜12頭の犬が必要だ。子犬ならもっと沢山要る。一方、猫なら24頭ほどを必要とする。

■殺戮方法

　犬や猫たちの殺し方の残酷さが糾弾されるのは、通常我々が強い絆を作り上げる動物に対してのものだという理由だけでなく、屠場の人間による暴力が目に余るからだ。

　ＨＳＵＳの調査員が撮影した映像がそれを証明している。殺戮方法は、窒息、出血多量死、絞殺、棍棒による撲殺などだ。どの方法も、犬や猫に途方もない苦痛を与える。シェパード、チャウチャウ、雑種犬らは棍棒で死ぬまで殴られるか、あるいは出血多量で死ぬ。

　一方、猫は金属の輪で首を絞めて殺される。

■欺かれている消費者

　犬猫の毛皮取引は一般の毛皮業界とは別世界で起きているわけではない。

犬猫を使った製品は、いわゆる「毛皮用動物」の製品と同じ経路で同じ店で売られている。

　調査によると、それらは原産地でも売られているし、よその国に輸出されてコートや小物に姿を変えて売られている。更にそこから輸出されて、犬や猫を愛する何も知らない人々に売られることもある。
　表示タグは、判断を誤らせる信用のおけないものだ。毛皮産業は、この血塗られた秘密を守ろうとしているので、非常に僅かな例外を除けば、犬や猫の毛皮はそのように表示されない。

関与している従業員らの証言によると、犬や猫の毛皮を使った商品には、どれでもいいから適当なタグを縫い付けるのだという。要するに、より容易に商売出来るようにするのだ。

　たとえば、犬の毛皮を使った商品は、ガエ・ウルフ、ソバキ、アジアン・ジャッカル、グーピー、チャイナウルフ、等として売られる。猫なら、ワイルドキャット、マウンテンキャット、ゴヤンギ、などの偽名のもとに売られるのだ。

■私たちに何が出来るか

　国内の無数の場所で犬や猫の毛皮を使った衣類が販売されている。我々はそれらの製品と関与している会社の全国調査をしている。疑わしい表示の商品や犬猫の毛皮を扱っていそうな店や会社があったら、通報して欲しい。集まった情報は、このさもしいビジネスの 分布を把握するのに役立つ。同時に、これを禁止する法律制定へ向けての活動のためにも必要だ。

　たとえヨーロッパ以外の国で殺されたものだとしても、犬や猫の毛皮の輸入が合法だとは、容認できないことだ。イタリアでは犬や猫は保護の対象であり、彼らの虐待や遺棄は犯罪なのだから。