反毛皮キャンペーン【４】

イタリア　ＬＡＶ(動物実験反対協会）

　イタリアでは、皮製品を作るために輸入した犬の皮を、コートの内側や、ジャケットや靴に使っている。スキー用品の製造において世界のリーダー格であるイタリアのある

　メーカーが、犬の皮の国際取引に関与していることは、すでに９０年代始めに明らかになっている。彼らはスキー靴やアフタースキーの仕上げのために、犬の皮を中国から輸入していた。１９９４年、ロサンゼルス裁判所はこのメーカーのアメリカ支社に、犬の皮の輸入をやめるよう命令した。

　１９９７年に中国からの４．７トンの犬の皮を積んだ船が、必要な書類が不足していたために香港で停められた。積み荷はイタリア向けだった。動物製品を扱う中国の貿易会社の調査の途中で、あるイタリアの会社が犬の皮の輸入者として明るみに出た。

　イタリアは、ルーマニアからも野良犬の皮を輸入している。１９９５年には、ブカレストの２つの会社から、１７万枚の野良犬の皮がイタリア向けに輸出された。ローマの中古市では、犬の皮を使ったコートが偶然分析されたために見つかった。犬や猫の毛皮は手触りからだけでは見分けがつかない。動物の種類を正確に特定するためには、ＤＮＡ鑑定が必要だ。

　ＬＡＶは、イタリアにおける流通経路と関与している会社を知るために、地図を作っている。

見つけた製品は検査に回しているが、まず間違いなく犬や猫の毛皮であろう。今までにピエモンテ、アブルッツォ、トレンティーノ･アルト･アディージェ、シチリア、トスカーナ、リグリア各州で見つかっている。

　スペイン−最近バルセロナで売られていた衣類を鑑定した結果、猫の皮が使われていた。

ドイツ−ドイツでは、これらの皮は、犬ならガエウルフ、猫ならカッツェンフェールと呼ばれている。（フランスでは、「中国の犬」または「アジアの狼」という意味の言葉が犬の皮を指す。）

　犬の皮は通常、競売所で取引される。１回の競売で北朝鮮から輸入された１万枚の犬の皮が扱われる。ベルリンの複数の毛皮店にも「ガエウルフ」として犬の毛皮が置かれているのが見つかっている。また、サイトウェブを通して、毛皮や中古皮製品の販売に興味がある人に販売されることもある。

　フランス−ＨＳＵＳの調査員は倉庫に２,０００枚の犬の毛皮を在庫していた会社を発見した。

そこに更に１,０００枚が入荷するところだった。それらは主にアルプス地方で売られるジャケットに使われている。

■虐殺の数

　犬猫の皮の国際取引に関与していた会社のデータをＨＳＵＳがまとめたところによると、毎年２００万の犬と猫が皮をとられるために殺されている。

• ある中国の会社がＨＳＵＳの調査員に証言したところでは、５万枚の犬の皮と5万枚の猫の皮のストックが倉庫にあるそうだ。
  
• ドイツで行なわれる競売では、１度に１万枚の犬の皮が取引きされる。
  
• チェコ共和国に向けて航海していた中国の船は、表向きはチェコの軍隊への補給が目的だったが、イエネコの毛皮で作ったジャケット５,３２９kgを積んでいた。猫の数にすると、４０,０００から５５,０００匹に相当する。
  
• ある中国の会社が１０万枚の猫の皮のストックがあると証言した。
  
• 中国を出てイタリアへ向かっていた船の積み荷が、書類の不備のために差し押さえられた。そこには４．７トンの犬の皮が含まれていた。
  
• ドイツの競売の最中、コリアンドッグファー（シェパードのことだ）の毛皮が９ドルで落札された。
  
• 動物の副産物を扱う中国の会社で、６〜８匹の猫の毛皮を縫い合わせたグレーとオレンジ色の混ざったつぎはぎの毛布状のものが１２ドルだった。それを２枚使うと１着のジャケット、３枚で１着のコートが作れる。つまり、１着のジャケットには１２〜１８匹、１着のコートには１８〜２４匹の猫が殺されるということだ。その会社には、猫の頭の毛皮を縫い合わせたものもあった。３６個の猫の頭で作られたものは１５ドルだった。
  
• 北京のある会社は、１９９８年の１月から３月までの間に、犬と猫の毛皮を各２万枚輸出したと証言した。同社は１月にはそれぞれ５万枚の在庫を持っていたそうだ。猫の毛皮はオレンジ色のもグレーのも、１枚２．６ドルで売られ、犬の毛皮は８．５ドルだそうだ。
  
• 中国の工場では猫の皮は１枚５０ｾﾝﾄ、別の所では２．９ドル、北京では２．１５ドルの値がついていた。
  

　写真：（シェパードの毛皮は特に需要が高い。捕獲され、道端で皮をはがされる。猫の捕獲や殺戮には、しばしば子供が従事している。）