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動物福祉団体による映像制作ガイドラインについて

ALIVE 2008.3 翻訳/紹介:角恵美

アメリカ映画で、動物を使用している作品の場合、「この映画を製作するにあたりいかなる動物虐待も行われていない」というテロップを見ることが多いと思います。アメリカには古くから「動物虐待をしていない」ことを認証するNGOの動物福祉団体が存在します。


AHA(アメリカ人道協会)映像制作ガイドラインについて

アメリカ人道協会(AHA: the American Humane Association/ American Humane)は、1877年に創立された動物と子どもの福祉の向上を目的とした、コロラド州デンバーに本部を置く非営利団体である。

映画界への関与は、1925年に西部劇や聖書物語に出演する馬の取り扱いに関する調査委員会を設置したことに始まる。1939年の映画『地獄への道』(Jesse James)の撮影時に発生した馬の転落死事故がきっかけとなり、1940年にはロサンジェルスにオフィスを設けて、映像制作における動物の扱いを監視する映画・テレビ部(Film & TV Unit)を配置した。

AHA映画・テレビ部について

AHA映画・テレビ部は、1980年に全米映画俳優組合(SAG: the Screen Actors Guild)と契約して以来、映画、テレビ番組、コマーシャル、ビデオ販売用の映像作品、ミュージックビデオ、コンピューター画像など、あらゆる映像メディアにおいて動物の福祉を監督する唯一の機関である。制作準備の初期からマーケティングに至るまでの全プロセスに関与して、動物の適正な取り扱いを確保するための支援を提供している。
さらに、映画の格付け(movie rating)や、一般の懸念や事故が発生した際に撮影時の動物のアクションに関する報告なども行う。プロデューサーとSAGとの労働契約「the Producer-SAG Codified Basic Agreement」では、制作会社は動物の使用について前もってAHAへ通知するよう定められている。

AHA映画・テレビ部の大局的な役割は、次のとおりである。

〈制作準備〉
・危険要因を評価し、軽減するための支援
・安全な選択肢や代案の決定への協力
・多様な種に関する情報、人道的な課題、動物の専門家へのアクセス

〈撮影現場〉
・動物に対する人道的な取り扱い
・法的責任リスクの減少
・出演者や制作スタッフのより一層の安全に寄与する動物の安全
・根拠のない世評への対策の強化

撮影後の編集〉
・作品の配給における公的調査への対応
・動物の演技に関する情報を求めるメディア、規制機関、個人との連絡役

〈マーケティング〉
・エンド・クレジットで表示される『危害を受けた動物は一切いません』という免責文言(”No Animals Were Harmed” End Credit Disclaimer)の発行
・映画の格付けと批評

AHAは毎年、アメリカ国内において何百本もの作品を監督しているが、リアリティショーやドキュメンタリー番組などSAGの作品でないもの(non-SAG productions)に対する監視権は持たない。また、外国でのロケーション撮影の監視を要請されることもあるが、国外では契約上の権限は適用されない。

映像制作におけるガイドラインについて

動物の取扱いに関する基準は、『映像メディアにおける動物の安全使用のためのガイドライン(AHA Guidelines for the Safe Use of Animals in Filmed Media)』に概説され、新たな課題や技術的進歩に対応するために定期的に改訂される。

AHAによると、2005年に発行された最新版は、獣医、動物福祉の指導者、映画産業の専門家、霊長類学者などによる一年以上もの徹底的な評価に基づいて改められた。ガイドラインの項目は、制作に使用される動物全てに該当する一般指導要綱と種別の特定指導要綱とに大きく分けられる。そのほか、映像制作における動物の安全使用に関する基本的原則、AHAとの協働のためのチェックリスト、広報活動や問題解決に関するチェックリストなども載せられている。

一般指導要綱は、映像制作の前及び最中に行うべき事柄、飼育と飼育舎、獣医医療、制作班、衣装・メイクアップ・小道具、撮影現場の環境と安全性、特殊効果、演技などについて述べられ、種別の要綱では、犬、猫、鳥類、魚類、虫・クモ類、馬・家畜動物、外来の動物、猿・類人猿、爬虫類、野生動物などが取り上げられている。最新のガイドラインでは、霊長類、馬、競馬、ロデオ、航空機や水域での安全に関する項目が大幅に改められ、連邦及び州政府や地方行政の動物福祉に関する法律や規制、それに労務管理安全委員会(the Industry-wide Labor Management Safety Committee)による安全指針(Safety Bulletins)への言及がより多くなされている。

ガイドラインは、AHAから制作会社や産業関係者に無料配布されているほか、だれでもAHAウェブサイトにて無料で閲覧したりダウンロードしたりすることができるが、同団体の承認のないものは、動物福祉の監視やガイドライン順守の取締りをすることはできない。

映画格付け(Movie Rating )について

AHAは、ガイドライン順守の状況に基づいて映画の格付けを行っている。1972年に初めて評定が行われた際は、『容認できる』か『容認できない』かのどちらかの評価であったが、その数年後には『容認できると思われる』、『疑問の余地がある』、『不明である』という分類が加えられた。2004年の大幅な改正で、『監視あり:容認できる』、『監視あり:容認できない』、『監視なし:基準を満たしている』、『監視なし』という分類による新たな評価システムが構築された。現在の映画評価システム(Movie Rating System)は、それをもとに2006年に行われた修正によって導入された。

制作会社は、アメリカ国内で制作するSAG作品において動物を使用する際には、AHAが独自に養成して認定する動物安全監視員(Certified Animal Safety Representatives)に撮影現場への立ち入りを許可しなければならない。AHAは、制作準備の段階で脚本を吟味し、予定された動物のアクションの程度を測定する。そして、動物の安全を確保するために監視員を現場に配置して、安全性に関する問題へのアドバイス、動物のアクションや飼育の記録、動物の健康や取扱いに関する証言などを行う。AHAとの協力を行い、動物の取扱いに関する基準を満たした作品にのみ、エンド・クレジットで「危害を受けた動物は一切いません(No Animals Were Harmed)」という免責文言が表示される。

現在(2008年3月)の映画評価システムは、次のとおりである。

●『監視あり:優良である』
動物の安全を確保するために、制作期間を通じてAHA動物安全監視員による撮影現場の監督が行われた。完成作品の試写をしてスクリーンに現れる動物のアクションを全て照合確認した結果、AHAガイドラインに準拠すると判断された映画である。よって、この映画はエンド・クレジットにおいて「危害を受けた動物は一切いません(No Animals Were Harmed)」という免責文言が表示される。

●『監視あり:容認できる』
AHA動物安全監視員は動物の出る全てのシーンを監督することはできなかったが、重要な演技は監視が行われ、AHAガイドラインに従って撮影されたことが確認される。完成作品の試写をして撮影時に監視を行った動物のアクションを照合確認した結果、この映画の制作会社はAHAガイドラインに全面的に協力をしたことを認める。よって、この映画のエンド・クレジットでは「動物のアクションはAHAによって監視されました」という免責文言が表示される。

●『監視あり:特殊事情』
この映画の制作会社は、AHAガイドラインに従うとともに動物安全監視員による安全対策にも協力したが、撮影の過程において動物の死亡あるいは動物を巻き込んだ事故または怪我が発生した。徹底調査によって、その出来事は制作会社や動物のサプライヤーの不注意や悪意によるものではないことが判明している。獣医文書を検討や完成作品の試写を行い、スクリーン上の動物のアクションを照合検査した結果、映画制作会社はAHAガイドラインに全面的に協力をしたことを認める。よって、この映画のエンド・クレジットでは「動物のアクションはAHAによって監視されました」という免責文言が表示される。

●『監視あり:容認できない』
この映画の制作会社は、AHAの許可なく危険性があるセグメントを撮影したか、AHAガイドラインに従わなかったために動物を負傷または死亡させ、動物の安全を無視した。

●『監視なし:基準を満たしている』
資金・人材不足またはスケジュールの都合により、AHA動物安全監視員は動物のアクションを直接監督することはできなかったが、この映画の制作会社は、AHAの要請を受けて、全登録要件の順守、撮影台本と関連する動物のスケジュールの提出、作品の試写会を行った。

●『監視なし』
映画撮影にあたって、この映画の制作会社はAHA動物安全監視員に監視を求めなかった。よって、AHAは出演動物の取扱いに関する証言やAHAガイドラインが守られたかどうかを判断することはできない。

エンド・クレジットの免責文言について

映画制作における動物の安全を監視する唯一の機関であるAHAに帰属するエンド・クレジットが初めて出されたのは、1972年のことである。AHA映画・テレビ部は、60、70年代にもできるだけ多くの作品を監督したが、大多数の協力を得ることは複雑であった。1996年にAHAは、エンド・クレジットの免責文言を標準化するプロセスに着手するとともに、それを得るための資料を映画制作者に配布した。AHAは、免責文言を人道的な出演動物の扱いを行う映画をサポートする視聴者に知らせることで、映画スタジオや制作者に対して重要な声明を出した。

国外作品に対する財源に関する厳格な規約が設けられる以前は、AHAはカナダのブリティッシュ・コロンビア動物虐待防止協会(British Columbia SPCA)やカルガリー動物愛護協会(Calgary Humane Society)と協力して活動を行っていた。それらの地域で撮影された合格作品では、エンド・クレジットにおいて「この映画の制作にあたり、危害を受けた動物はいません」という文句に加えて、AHAと共同監督をした外国の動物愛護団体の名前が記載されていた。また、「動物を危険に追いやるようなシーンは、シミュレーションである」という文言も使われていた。

2000年、AHAはエンド・クレジットで映画・テレビ部のマークに添付する「危害を受けた動物は一切いません(No Animal Was Harmed/ No Animals Were Harmed)」というフレーズの商標出願を行った。そして、AHAはここ数年、「動物のアクションはAHAによって監視されました。この映画の作成にあたり、危害を受けた動物は一切いません。」という文句を使用している。AHAのウェブサイトには新しい映画の批評(movie reviews)が掲載され、視聴者は映画館に行く前に動物のアクションがどのように行われたかを知ることができる。また、AHAウェブサイトでは、有名な動物スターや、いくつかの映画に関して特定の動物シーンがどのように撮影されたかが紹介されている。

AHAによると、今後の課題は、資金および人材面でのサポートを増やして、外国作品やSAG作品でないものの監視範囲を拡大することである。それを実現するためには、一般からの寄付金やその他の後援に依存しなければならない。

AHA映画・テレビ部に関する論争

AHAの財源の大部分は、SAGや全米映画テレビ制作者連盟の役員によって管理される産業推進組合基金である。つまり、AHA映画・テレビ部は、監視を請け負う産業によって賄われているという利害の対決がある。AHAは、映画制作連盟から組合基金への財政投入は映画の監視方法に影響しないと主張している。しかし、『容認できない』という評価を余り下さないのは、動物が負傷したり死亡したりした際にAHAが制作者側に味方しているからだという批判する声もある。それに対してAHAは、『容認できない』という評価を受ける映画が少ないのは、制作会社との協力により撮影現場での動物の取扱いがうまく行われているからだとしている。撮影中に動物の死亡が確認されているにもかかわらず、『容認できる』または『容認できると思われる』という評価が与えられた映画は、1999年の『13ウォーリアーズ (The 13th Warrior)』や2005年の『Flicka(フリッカ)』などである。AHAは、その死亡が故意ではなく不可避の事故であると判断されたことによるものだとしている。

AHA映画・テレビ部は、PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)やパフォーミング・アニマル福祉協会(Performing Animal Welfare Society)などの動物福祉団体や動物保護団体から批判を受けている。それらの団体は、動物の調教師に連邦動物保護法の順守を命じること、準備段階や動物の調教を監視すること、類人猿に対する終生飼養プランを必要とすることなど、AHAガイドラインの改善すべき点を挙げている。また、動物虐待で有罪判決を受けた事がある調教師に撮影現場での仕事を認めるべきでないとも指摘している。

 

<参考
・ アメリカ人道協会(AHA)http://www.americanhumane.org
・ AHA映画・テレビ部(AHA Film & TV Unit)http://www.americanhumane.org/site/PageServer?pagename=pa_film
・ AHA映画格付けシステム(AHA Movie Ratings)http://www.americanhumane.org/site/PageServer?pagename=pa_film_ratings
・ AHA映画批評 (AHA Movie Reviews)http://www.americanhumane.org/site/PageServer?pagename=pa_film_reviews
・ AHAガイドラインダウンロードhttp://www.americanhumane.org/site/DocServer/LA_Guidelines_Web2.pdf?docID=1821
・ Flickaに関するPATAのサイトhttp://www.peta.org/feat/Flicka/
・ CruelCAMERA http://www.cbc.ca/fifth/cruelcamera/humane.html

「展示動物等の飼養及び保管に関する基準」( 告示2004年4月30日)
(「動物愛護管理法に基づく展示動物の飼養及び保護に関する基準」の改正について)

 


 
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