尼崎の犬の繁殖業者が、3月4日に逮捕され、関西方面では大きく報じられました。
一人で数十~数百頭もの犬を多頭飼育している犬の繁殖業者は、一般にほとんど犬の登録・注射をしていないのが現状です。今回、
尼崎市の犬繁殖業者が、狂犬病予防法違反等の容疑で摘発されたことの意味はたいへん大きいものがあります。
これを機に、全国の動物行政は、繁殖用の犬、実験用の犬等、多頭飼育しているすべての施設に立入り調査をして、実態把握と、法令順守を周知徹底していただきたいものです。
ちなみに、狂犬病予防法違反で摘発されるケースは、多頭飼育や闘犬の不適正飼育などで近隣の苦情が寄せられ、行政が繰り返し指導しても従わない場合などに、動物愛護法では対処できないため、狂犬病予防法を適用すること多いと見受けられます。
<事例>
●劣悪飼育の繁殖業者、ついに起訴
●元ブリーダー夫婦による犬虐待に判決
●またも悪質業者が、犬猫を餓死させる
(検察統計より)
本来であれば、行政が動物取扱業者に改善を指導しなければならない立場ですが、尼崎市では行政が業者とともに犬の大量殺処分を勧めてきたという意味で、行政にも業務の過失・怠慢があったと考えられます。
⇒尼崎市の動物行政の改善に向けて。
http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/welcome_mayor/index.html
----------------------- 以下、新聞報道から ------------------------
犬360匹を無許可飼育の疑い 尼崎の繁殖業者を逮捕
朝日新聞 2010年3月4日
http://www.asahi.com/national/update/0304/OSK201003040004.html
「兵庫県尼崎市の犬繁殖業者が無許可で多数の犬を飼育していたとされる事件で、兵庫県警は4日、「ペットショップ尼崎ケンネル」の経営者を化製場法違反(無許可飼養)と狂犬病予防法違反(予防注射の
未実施など)の疑いで逮捕し、発表した。県警は、尼崎市が違法飼育状態を長期間にわたって事実上放置していた経緯も調べる。
」
犬繁殖業者:狂犬病予防法違反容疑などで逮捕 兵庫県警
毎日新聞 2010年3月4日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100304k0000e040045000c.html
尼崎の違法飼育:狂犬病予防、大半怠る 市、犬販売・繁殖業者を調査/兵庫
毎日新聞 2010年2月26日 〔阪神版〕
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20100226ddlk28040336000c.html
「 市内の39施設のうち、既に廃業した施設などを除く27施設のうち、狂犬病予防法に基づく予防注射をしていない施設は23施設あった。また動物愛護法違反も24施設、多数の動物を飼う施設に必要な化製場法に基づく許可を取っている施設はゼロだった。」