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ALIVE 「動物園の改善] 翻訳資料

飼育下の<ゾウ>の現状と環境改善(要旨)


  飼育下にあるゾウのための勧告
 −アフリカのフィールドでの経験と、英国のすべてのゾウ飼育施設を視察しての勧告  
    
イアン・レッドモンド著 (野生生物学コンサルタント、アフリカン・エレファンド)


■環境改善用具

 以下の用具は、「+1ルール」にしたがって、つまり争いを避けるため「動物数+1」だけ設置すること。
図1)スライド式餌桶
図2)餌吊り下げ器
図3)餌立て
図4)餌ポケット
図5)果物落とし
図6)丸太と木の目隠し
図7)丸太柵の目隠し
   [用具の名前はすべて意訳です]

■飼育下の生態

 自ら環境を改変するゾウの能力が、飼育下では問題にされている。

 体を掻くための柱が壊される→コンクリートに変えるというのは、「破壊する」のがゾウの自然な行動であることを認めないことになる。観客にも教育するべきだ。穴を掘ることも同じで、飼育係りはすぐ埋めて平らにしてしまう。飼料中のミネラルを減らし、かわりに鉱塩を地面に埋めれば、ゾウはこれを掘り、観客の教育にもよい。

 ゾウの「種蒔き」を見せるには、果物を与えた後の糞を花壇に置くなどすればよい。学校の児童に持ち帰らせてもよい。米国のような「Zoo Doo」肥料の販売もよい。大量の糞は廃棄せず堆肥化が望ましい。

■給餌

 栄養は概ね満たされているが、同じ繰り返しで飽きがくる。偶然、好物の果物や潅木をみつける、ということがなく常に食物がある環境では、低カロリーにするか、激しく体を動かすか、どちらかが絶対に必要。

1)内容
 給餌内容はたいてい栄養価が高すぎ、かさがあって繊維質で低カロリーの飼料が不十分。葉はいつでも食べられるようにすべきである。大量に必要なので、庭師や公園・学校などと交換条件をつけもらえるようにする。

2)調理

 調理は「するな」。野菜や果物は切らず、できれば親の植物につけたまま与える。根菜類はスライド式餌桶で与える。

3)給餌法

 定期的に地面に投げるかわり、高いところから吊るしたり、いろいろな高さに置くと変化がつき、運動になる。観客にも面白い。(筋力がつくまで高さは「徐々に」上げていく)。「環境改善用具」参照。

 理想的には自然の植物から食べるのがよい。運動場が広く、周囲に親植物があれば、イバラや雑草など強い草は周辺部に残るかもしれない。それがだめなら餌桶を使い、観客におやつとして適当な植物を入れさせるのもよい。

■動物舎

 最低限の基準も満たしていないところが大部分だった。

1)広さと区分

 柵が高くつくため、ゾウの飼育施設はサファリ式のところでも狭すぎる。広い運動場がつくれないなら、エジンバラ(ロンドン、ブリストルも検討中)のように飼育をやめ、模型にすべきである。
 大きな運動場に必要なものは、起伏のある地面、樹木、草、堅固な立ち木(standing)、体がつかる深さのあるプール、泥あび場。餌は運動場全体にまき散らす。こうしてよく歩かせれば、夜間鎖につなぐ方式でも、通常の足のケアだけで間に合う。

 1988年5月17日の「第1回ゾウ飼育担当者ワークショップ」(チェスター動物園)では、皮膚と足のケアがテーマ、とくに飼育下で磨耗の少なくなる足元の厄介な手入れに多くの論議が費やされた。足の裏の皮膚をそいだり、爪にやすりをかけたり、脇腹にワイヤブラシをかけるより、環境を自然に近づける方が合理的で健康的。

2)基層と付属物

 自然界同様、足で踏む基層は変化に富んでいること。また一日の多くの時間は、皮膚に植物が接触している。体を掻く支柱を設置するのが一般的だが、図6のような太いロープののれん、ココヤシのマットを材木などに張ったもの、枝分かれした木などを、少なくとも運動場の一部のまわりや室内にも置くと、皮膚の手入れはその分楽になる。支柱も1本だけコンクリートの床に埋め込む方式は、交換がしにくい。図5のように垂直なホルダーに立てる方式や、垂直に排水管を埋め込み、そこに木を立てると、修理や交換が容易で、ゾウが遊ぶにもよい。数もたくさん立て、間をゾウが通れるようにした方がよい。

3)用具類

 トラクター用タイヤと材木は、玩具として一般的だが、知能に見合っていない。類人猿と同種の工夫をする方がよい。パズルフィーダー、餌さポケットのある壁(図4)に通じる自動ドアなど。ゾウは餌を探すのに視覚より嗅覚に頼るので、目隠しもよい(図6、7)。餌立てから飛び散った餌を拾うことも運動になる。

■社会的行動の充足

 英国・アイルランドで飼育されるゾウの群れは貧しすぎる。人間との絆はこれを補う助けにはなるが、代替することはできない。

■時間割

 夜間閉じ込めておく部屋の環境はひどい。ウェルシュマウンテン動物園では夜間も運動場に出られる。他も見習うべきだ。ゾウに出入りを自由に選ばせることが大切。

1)日課

 飼育係が特定の時間に餌をまとめて与えると、常同行動が出やすい。低カロリーでかさのある飼料をランダムに与えるとよい。

2)週間予定

 週ごとに規則を変えることもできる。何も毎日、面白いことが起こらなくてもよい。1、2週に1度、特別な果物や野菜をあげたりスライド式桶に入れるだけで、生活の単調さを崩せる。果物が高価なら観客に買わせ、与えさせてもよい。

■環境改善

1)給餌装置

 上述した給餌装置は、安価で手軽である。材料はすぐ入手でき、動物園の作業場で作れる。設置する場合は、争いが起きないよう数を「個体数+1」にし、ゾウが動物舎全体を歩くように配慮する。

2)生息場所の模倣

 「複雑さ」が大切。ただ一つの物でなく、多数の新奇な物を組み合わせることにより、注意を分散させ悪影響を防ぐ。

3)視聴覚機器と絵

 類人猿のようにテレビで野生ゾウの映像や音声を(大型スクリーンで)聞かせても面白い。アトランタ動物園ではゾウにコンピュータのジョイスティックを操らせているし、米国国立動物園ではシンボルの認知実験をしている。多くの米国の動物園が絵を描かせて保護資金を集めている。

4)玩具

 ゾウの器用さを引き出す玩具は観客には教育、ゾウには娯楽になる。葉がたっぷりあり、運動場が広い場合は、玩具は必要ない。

■一般教育

3)販売

 動物に適した食物を売ることで、菓子やスナックが雨あられと投げ込まれるのを防げる。「餌をあげないで」の注意板では効果はない。動物とふれあいたいという人の欲求はとても強いのである。この欲求は闘うよりも満たしてやる方がよく、とくに子供にはよい影響がある。創意に富んだ餌やり法を工夫して、決められた餌を特定の場所から与えさせれば安全である。

■まとめ

1. 地域ごとのゾウセンターの設置とその目的

2. 夜間鎖につなぐ習慣の廃止


 無駄でしかも残酷な習慣で、異常行動の多くの原因である上、足の裏の傷やひびわれの元でもある。汚物で汚れ、爪もすり減らない。ワシントンDCの国立動物園では、夜間に鎖につなぐのをやめた後は、足のケアの必要度が減少したという報告がある。昼でも夜でも、ゾウが自分で出入りを選べるようにすべきだし、自動給餌装置で好きなときに食べられるようにすべきである。飼育係による給餌時間も変化をつけるべきである。

 拘禁された精神病患者でも動物でも、体を揺するなどの常同行動は、食事時間が固定しているとその時間が近づくにつれ増加する。エネルギー消費に見合う食物が常に得られればこのストレスは避けられる。

 

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