定山渓クマ牧場の飼養改善指導ならびに
立入調査に関する再質問書
今年の6月、札幌市の旧「定山渓クマ牧場」で飼育されているクマの飼育状態 が極めて劣悪であるという情報が寄せられました。ALIVEでは調査をもとに、8月17日に
札幌市に、同施設の改善指導を求める要望書を提出しました。 8月31日に札幌市より回答をいただき、それに対して再質問書を提出しました。
定山渓クマ牧場の飼養改善指導ならびに立入調査に関する再質問書
平成23（2011）年9月8日
札幌市長 上田文雄 様
所轄：保健福祉局保健所動物管理センター
特定非営利活動法人 地球生物会議
先日は回答書をありがとうございました。さっそく立入調査と改善指導をしていただき御礼申し上げます。速やかな改善がなされることを期待しております。
さて、回答内容について、再度お訪ねしたい事項がありますので、お手数ながらご回答のほどよろしくお願いいたします。
１．クマの飼養環境の改善についての指導
繁殖を制限するための適切な措置とありますが、具体的にどのような内容の指導を行ったのでしょうか。また、市では６月から毎月改善を指導されていたとのことですが、８月２５日までにその点について、何らかの改善はあったのでしょうか。
また、「繁殖によって適正飼養に支障が生じる場合には、繁殖を制限するための適切な措置を講じるよう指導した」とのことですが、支障が生じてからでは遅すぎるので、「支障が生じないように、繁殖制限をする適切な措置」を行うこととし、具体的には雌雄の隔離等を行うべきと考えますが、そのように指導されたのでしょうか。
２．給餌給水についての指導
各コンクリート・ピット内に新鮮な飲み水を供給するには、具体的にどのような方法を取るのでしょうか。
また、餌については、おからや残飯ではなく、野生のクマが本来食べるであろうものが必要ですが、具体的にどのような餌を与えるよう推奨されたのでしょうか。
３．行政による立入等、監視体制について
定期的に立ち入り検査するとのことですが、今後どのぐらいの頻度での立ち入りを予定されているのでしょうか。また、取り入れた適正飼養に関する検査項目とは具体的にどのようなものでしょうか。
４．クマの個体識別の実施
現状ではクマの個体識別自体がまったくなされていません。これまで義務付けられているはずのマイクロチップによる個体識別措置がなされてこなかった（あるいは免除されてきた？）その理由を確認されているでしょうか。
市では「台帳等を整備し保管するように指導した」とのことですが、台帳だけでなく、早急に１頭ごとの写真を取るなどして個体識別を行う必要があります。それらの実施は確約されていますでしょうか。
５．改善の確認と改善がなされない場合の対処
改善指導事項の確実な実行に関して、管理者側に１カ月以内等の期限を設けて、通告されておられると思いますが、その期限をお知らせください。また、はたして実行されているかどうかについて、次回の立入調査の結果をお知らせください。
報道によると、管理者は「適切に飼育していると考えている」というコメントをしていたようです。これはつまり、自らの飼育方法が適切であり、これまで市が出していた改善指導に従う必要がないと考えてきたということを意味します。このことについて市は管理者側にその真意を問いただしたのでしょうか。
これまでの市の姿勢を見透かされて甘く見られているのではないかとも懸念されます。今後とも改善がなされない場合は、どういった姿勢で対応されていくのでしょうか。
以上
⇒ 定山渓クマ牧場に関する要望書と回答、調査報告書
＜こちらもごらんください＞
●秋田県のクマ牧場に関する質問書（2011.11）
●日本のクマ牧場の実態調査レポート
●日本のクマ牧場を実態を指摘したＷＳＰＡのキャンペーンビデオ
●中国のクマ施設（胆汁搾取）の実態を指摘したＷＳＰＡのキャンペーンビデオ
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